風疹患者すでに5千人、昨年1年間の倍以上に

朝日新聞 2013年5月8日19時20分

fusin04  風疹の患者数が今年、すでに5千人を超えたことがわかった。国立感染症研究所が8日発表した。昨年1年間の2倍以上。高知県以外の全ての都道府県で発生しており、感染は地方にも広がっている。例年、初夏に流行のピークを迎えるため、免疫が十分でない人はワクチン接種をするよう、感染研は呼びかけている。

 感染研によると、4月28日までの4カ月間の患者数は計5442人で、昨年同時期の34倍。週に500~600人ペースで増え、流行が終息する気配はない。都道府県別では東京都が1813人で最多。大阪府803人、神奈川県740人と続く。最新の1週間(4月22~28日)での患者数を見ると、大阪府が135人と最も多い。

 患者の大半を20~40代男性が占める。風疹は妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんの目や心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがある。

風疹患者、すでに昨年の2倍超える…厚労省

2013年5月8日11時40分 読売新聞

 妊婦がかかると胎児に障害が出る可能性がある風疹の患者報告数が、今年初めから4月28日までの累計で昨年1年間の2倍を超え、5442人となったことが8日、厚生労働省のまとめでわかった。

 同省によると、4月28日までの1週間に新たに報告された患者数は526人。都道府県別の累計は1813人の東京が最多で、大阪803人、神奈川740人、兵庫395人、千葉375人、埼玉309人、鹿児島147人などだった。

 男女別では男性4213人、女性は1229人。男性の場合、4月現在で34歳以上の人は自治体の予防接種の対象になっていなかったことから患者数が多いという。同省は、十分な量が確保されているMRワクチン(はしか風疹混合ワクチン)を接種するよう呼びかけている。

風疹患者 4か月で5000人超

NHK NEW WEB 5月8日 23時20分

妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹は感染の拡大に歯止めがかからず、患者数はこの4か月で5000人を超え、去年の同じ時期の34倍に上っていることが分かりました。

熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が出るおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は先月28日までの1週間で526人で、この4か月の合計で5000人を超えたことが分かりました。
これは、5年前に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった去年の同じ時期の34倍に当たります。
特に4月以降は週に500人を超えるペースで患者が増えるなど感染の拡大に歯止めがかかっていません。
1週間当たりの患者数を都道府県別に見ると、▽大阪府が135人と最も多く、▽次いで東京都が124人など首都圏と関西を中心に全国に広がっています。
ことし風疹と診断された患者のおよそ90%は成人で、男性では20代から40代、女性では20代が多くなっています。
国立感染症研究所の多屋馨子室長は「風疹の感染拡大の勢いは全国で衰える気配がない。例年、流行のピークは6月頃なので、流行の中心となっている大人は一日も早くワクチンを接種してほしい」と呼びかけています。

感染拡大を防げるか・企業で予防接種の動きも

風疹の流行拡大を防ごうと、医師に会社に来てもらい、社内で一斉に予防接種を行う動きも出ています。
東京・千代田区にあるIT企業は、会議室の一室を使って風疹とはしかの混合ワクチンを接種する場を設けました。
保健所に「巡回診療」の届け出をした医師に来てもらい、1人ずつ問診したあと接種をしていきます。
1人1万円ほどかかる費用は会社が負担するということです。
近くにある別のIT企業の社員も含め、7日だけで30人近くが接種を受けました。
ことしに入ってからの風疹の患者は5442人で、去年と同じ時期の34倍となっていて、その8割が20代から40代です。
接種を受けた40代の男性社員は「風疹がはやっていると聞いてワクチンを打ちたいと思っていたが、平日は仕事があり、医療機関に行く時間がなかった。会社で接種できるのはとてもありがたい」と話していました。
会社で接種を行った「アイ・ブロードキャスト」の上田拓右社長は「20人ほどの会社なので社員の間で風疹が広がると会社が機能しなくなる。風疹をさらに流行させないためにもワクチンを接種して予防することが重要と考えた。社内での接種は時間的にもメリットが大きいので、広まってほしい」と話しています。

感染の拡大が止まらない風疹の問題について、9日午後7時半から総合テレビで放送予定の「クローズアップ現代」で、詳しくお伝えします。

風疹

wikipediaより

風疹(ふうしん、英: Rubella)は、ウイルス感染症の一種で、風疹ウイルスによる急性熱性発疹性疾患。一般に日本では三日はしかとしても知られ、英語では「German measles(ドイツはしか)」とも呼ばれている。日本では「風しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としている。

風疹にかかった人は免疫ができて二度とかからないといわれるが、経年により免疫が低下していた場合や、がん治療などで免疫力が落ちた場合など、ごくまれに大流行シーズンとともに再発することがある。かつて5〜9年ごとに大流行があり、2005年以降は急速に患者が減少していたが、2012年に入り兵庫県で最多の感染となっているのをはじめとして関西・首都圏中心に本州で感染拡大し2013年4月現在さらに東京都を中心に都市部で大流行中である。2013年4月神奈川県で、黒岩祐治知事が風疹流行により非常事態を宣言。

伝染力は水痘、麻疹(はしか)より弱い。妊娠初期に妊婦が感染した場合の先天性風疹症候群が大きな問題となる。効果的な治療法は無く、ワクチンによる予防が最も重要である。

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