全国の風疹患者2千人超 大流行の恐れも

2013/03/26 18:49 【共同通信】

mashin04 国立感染症研究所は26日、今年の全国の風疹患者数が21日までに累計2千人を超えたと発表した。全数報告の対象になった2008年以降で最多だった昨年1年間の2353人に迫る勢いで流行が拡大している。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに心臓疾患や難聴といった「先天性風疹症候群(CRS)」が起こる可能性があるため、専門家は妊娠前のワクチン接種などを呼び掛けている。

 同研究所によると、21日現在で患者は2021人。首都圏や大阪、兵庫で目立って多く、東海や九州などほかの地域にも広がり始めた。推計で約3万9千人の患者が出た04年以来の大流行となる恐れがある。

風疹流行全国に 大人は予防接種を

NHK NEWS web 2013年3月26日

妊娠中に感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹の流行は、首都圏や関西以外にも広がりつつあります。
専門家は、予防接種を受ける大人を増やす必要があるとしています。

熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が出るおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は、今月17日までの1週間で286人に上り、ことしに入ってからの患者は、去年の同じ時期の22倍の2021人に達しました。
これは、5年前に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった去年の1年間の患者数を3月中に上回る勢いで、最悪のペースです。
都道府県別では東京都が103人と突出しているのをはじめ、神奈川県が42人、大阪府が21人など、引き続き首都圏や関西で多いものの、鹿児島県で12人、愛知県で9人など、流行は全国に広がりつつあります。
ことし、診断を受けた患者の90%近くは、予防接種を受けていない人が多い20代以上の年齢層で占められています。
また、風疹にかかった人は、症状がなくても感染を広げることがあり、専門家は、流行の拡大を抑えるには予防接種を受ける大人を増やす必要があるとしています。
国立感染症研究所の多屋馨子室長は「流行はしばらく続くとみられる。大人はもちろん、今月末まで無料で予防接種を受けられる中学1年生と高校3年生も、ぜひ接種を受けてほしい」と話しています。

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