中国で広がっている鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者が国内でも発生する場合に備え、日本感染症学会は通常のインフルエンザよりも抗ウイルス薬の投与量や治療期間を2倍に強化することなどを柱とした治療指針をまとめた。
提言として近く公表する。
指針では、治療薬として原則、飲み薬のタミフル(商品名)と点滴薬のラピアクタ(同)を使うよう求めた。インフルエンザの治療では、吸入薬のリレンザ(同)、イナビル(同)も使われているが、H7N9型では重い肺炎を発症するケースも多い。こうしたケースでは、肺の状態が悪化しているため、粉末の薬を吸引しても、患部に行き届かず、効果が十分に得られない危険性があるためだ。
また、H7N9型の患者中には、発症直後にタミフルの治療を始めたものの、効果が乏しく重症化して急性肺障害となった症例も報告されているため、抗ウイルス薬の投与量や投与期間をそれぞれ通常の2倍に増やし、初期から強力な治療を行うとした。成人の場合、タミフルの投与期間は10日間、原則1回だったラピアクタは状況を見て反復使用も考慮する。