子宮頸がんワクチンの接種後に体の痛みや歩行障害などの重い副反応が表れた女子生徒の家族らが接種の中止を求めている問題で、厚生労働省の有識者検討会は16日、「現時点で中止を判断する科学的論拠は乏しい」との見解をまとめた。
一方、さらに因果関係を調べる必要があるとして、医療機関などからの未報告事例も含め、情報収集に乗り出すことにした。
厚労省によると、2009年12月の発売開始から今年3月までに、国内で864万回以上の接種があり、医療機関や製薬企業からの副反応報告は1968件。グラクソ・スミスクライン社製とMSD社製の2剤あり、副反応発生割合は、接種100万回当たり245件と156件だった。
この日、被害者連絡会がまとめた24件の被害例も報告されたが、うち17件は医療機関などからの報告はなかった。検討会は「情報が乏しく因果関係が判断できない。さらに調査が必要」とした。被害者連絡会代表の松藤美香さんは「接種を続けることは、被害者を増やすことにつながり、納得できない」と話した。
子宮頸がんワクチン、副作用で重篤106件
子宮頸(けい)がんのワクチンで接種後の健康被害が報告されている問題で、厚生労働省の検討会は16日、医療機関などから報告されていない例も含めて調査を進めることを確認した。因果関係を判断するための情報が不足しているためという。接種の一時中止などは必要ないとの意見で一致した。
厚労省が検討会に示した資料によると、販売が開始された2009年12月以降、3月末時点の副作用報告は1968件。接種者数でみると、1万人に1人から2万5千人に1人の割合になる。
同省によると、製薬会社のグラクソ・スミスクライン製造のワクチンでは、医療機関から1001件、製造販売会社から704件、別の製薬会社、MSD製造のワクチンは、医療機関から195件、製造販売会社から68件の報告があった。接種者数に対する報告の割合は0・004~0・014%。これまで報告されていた割合と、違いはなかった。医療機関側が接種との関連があるとした例は733件だった。
子宮頸がんワクチン「一時中止を」 被害者らが訴え
朝日新聞 DIGITAL 2013年5月17日
子宮頸(けい)がんワクチンの副作用をめぐり、厚生労働省の検討会が16日、接種を一時中止しない方針を決めたことについて、被害者の父母らで作る「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」の松藤美香代表が会見し、「時間がかかるほど被害者は増える。勇気をもって一時中止してほしかった」と述べた。
厚労省は、調査・審議するワクチン製造販売業者から寄付金などを受け取った委員に申告を求めており、検討会の冒頭で委員の実名が公表された。松藤代表は「業者からお金をもらってワクチンの是非を言えるのか。副作用の問題はお金をもらっていない方に審査してほしい」と批判した。
一方、検討会は同日、医療機関などから報告された重い副作用のうち「未回復」「その後どうなったか不明」などのケースを調査することを決めた。連絡会が独自に提出した24人の健康被害も調べるという。
子宮頸がんワクチン副作用マスコミが取り上げはじめた舞台裏…あのCMのため?
きのう16日(2013年5月)、厚生労働省で今年4月から定期接種を始めた子宮頸がんワクチンの安全性を評価する専門家検討会がひらかれた。傍聴していたある父親は「娘を早く治してくれ」と叫んだ。子宮頸がんワクチン副作用被害に関心が集まっている。
止まらない全身痙攣、運動機能喪失、「数が数えられない」
子宮頸がんワクチンの副作用とはどんなものなのか。ある少女は肩や足が激しく痙攣して、止めようとしても止まらない。梅津弥英子リポーターはこう説明する。「ワクチン接種は3年前から始まりました。当時は子宮頸がんの発症を50%から70%防げるワクチンとして注目されましたが、副作用については触れられていませんでした」
東京・練馬区の少女は「学校からワクチン接種をするようにと言われ、ほとんどの友達が接種していました。それで自分も接種を受けたら、1週間ぐらい経ったとき身体に異変が起きました」と話す。副作用が問題にされているのは日本だけではない。2年前にアメリカのテレビで放映された少女の映像があった。少女は頭が良くスポーツも万能だったが、副作用が発症してから3か月後には「数が数えられなくなった」という。