【上海共同】中国山東省政府は23日、36歳の男性が鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)に感染したことを確認したと発表した。山東省での感染確認は初めて。
感染地域は上海、北京2市と江蘇、浙江、安徽、河南、山東の計5省に拡大。上海と安徽で発症した患者の感染が3月31日に初めて公表されて以降、感染が北方に広がる傾向が鮮明となってきた。全体の感染者は死者21人を含む106人になった。
発表によると、感染が確認された男性は同省南部の江蘇省に隣接する棗庄市に住み、建材の卸売業に従事。約1週間前に発熱などの症状が現れ、21日に重い肺炎となり、同市内の病院に入院した。
H7N9型、上海の市場で誕生か 中国研究者ら
中国の鳥インフルエンザウイルスH7N9型は、上海市の市場で取引される生きた鳥の体内でできた可能性があるとする論文を中国農業科学院のチームがまとめ、23日までに科学誌「チャイニーズ・サイエンス・ブリティン」に発表した。
市場では、各地から出荷されたさまざまな種類の鳥が飼われているため、鳥の体内で複数種のウイルスの遺伝子が混ざり、新しいウイルスができたとみている。
感染者3人から分離したH7N9型には、人体での感染や増殖が起こりやすくなりうる変化が起きていた。「重症化や高い致死率の原因ではないか」と推測している。