ダニ感染症で広島男性死亡 昨年夏、国内4人目

2013/02/19 12:02 【共同通信】

 厚生労働省は19日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、広島県の成人男性1人が昨年夏に死亡していたことを新たに確認したと発表した。

 国内での死亡確認は山口の女性1人、愛媛と宮崎の男性各1人に続き4人目。ウイルスの遺伝子配列はこれまで見つかってきたものと似ており、厚労省は今回も国内で感染したとみている。

 厚労省などは1月に初めて死亡例が判明してから、似た症状が出た患者の情報を全国から集めている。感染の疑いが強く、血液試料がある事例を詳しく検査。19日の段階で9人分が結果待ちで、国内感染の確認例は増える可能性が高い。

「殺人ダニ」感染症に日本パニック 実は何百年も昔からあった病気

J-CAST ニュース 2013/2/20 19:47
新たに発見された感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が、日本列島を騒がせている。媒介するのは日本中どこにでもいるようなマダニ、しかも致死率は10%を超える。2013年2月19日には広島県で4人目の死者が確認された。

防ぐには、とにかく肌の露出を減らす
SFTSウイルスは2011年、中国で発生した原因不明の疾患を調査する中で発見された「新しい感染症」だ。媒介するのは屋外に生息するダニの一種「マダニ」で、日本全国の野山を始め、都会などにも普通に出没する。

ウイルスに感染したこのマダニにかまれることで発症し、発熱のほか、食欲低下や嘔吐(おうと)、下痢・腹痛などといった症状、さらには頭痛や筋肉痛、意識障害やけいれんなども引き起こすこともある。最悪の場合、死に至る可能性もあるのは前述の通り。現時点ではワクチン、また「特効薬」も存在しないため、防ぐには、とにかく肌の露出を減らすなどして「かまれない」よう気をつけるしかない。

国内では2013年1月30日、12年秋に死亡した山口県の女性が、最初のSFTSによる死者として確認された。その後も愛媛県、宮崎県、広島県在住の計4人が、SFTSによる死亡例として報告されている。

これを聞くと、「殺人ダニがやってきた!」とパニックになるかもしれない。しかし、国立感染症研究所のウイルス1部部長・西條政幸氏によれば、STFSは、

「100年、それどころか1000年単位の昔から日本にあった病気だと思われます。少なくともここ最近、あるいは戦後といった時期に来たものではありません」

という。

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