東京都足立区は区薬剤師会と連携し、
薬局での簡易検査で糖尿病が疑われた人が医療機関を
受診するまで勧奨を続ける「糖尿病重症化予防フォロー事業」を
今月15日からスタートさせる。
薬局などによる検体測定室の開設届け出は全国で相次いでいるが、
その先駆けとなった地域として検査だけで終わらず、
確実に診断・治療につなげようという取り組みだ。
【烏美紀子】
足立区では2010年秋から、糖尿病の早期発見を目指した
社会実験プロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」
(代表=矢作直也・筑波大准教授)を展開。
区内10か所の薬局にHbA1c値の測定機器を置き、
薬局利用者で希望する人が自己採血による簡易測定をする事業で、
測定した人の約3割に糖尿病や予備軍の疑いが見つかるなど、
高いスクリーニング効果が報告されている。
一方で、測定結果を受けて薬剤師が医療機関の受診を勧めても、
「まだ自覚症状がないから」などの理由で治療を始めない人が多い
という課題があった。
今回の重症化予防フォロー事業は、受診勧奨を強化するのがポイント。
糖尿病が強く疑われる「HbA1c値6.5%以上」の結果が出た区民に対して、
薬局薬剤師は、電話やはがきなども使って積極的にアプローチを繰り返す。
受診したことが確認されれば、区からの委託料として1件につき500円が
薬剤師会を通じて薬局に支払われる。
HbA1c値の測定は有料で500円を自己負担してもらう。
今年度は300人を治療につなげることを目指す。
事業に参加する「あやせ薬局」薬剤師の長井彰子さんは、
「糖尿病をきちんと理解し、簡易検査で得たせっかくの機会を逃すことなく、
治療や生活改善に取り組んでもらえるように、
私たち薬剤師が役目を果たしていきたい」としている。
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引用:糖尿病の簡易検査、薬局に受診勧奨を委託-足立区、「測定だけで終わらない仕組み」