厚労省H7N9型を指定感染症に 鳥インフル日本侵入に備え

2013/04/24 10:41 【共同通信】

 中国で急速に感染が拡大しているH7N9型鳥インフルエンザウイルスの日本侵入に備え、厚生労働省感染症部会は24日、H7N9型を感染症法に基づく「指定感染症」とし、最長2年間、入院勧告や就業制限などができるとする対策案をまとめた。政府は感染症法の政令や、検疫所での診察や検査を可能にする検疫法の政令を改正し、5月上旬の施行を目指す。

 東南アジアを中心に広がっているH5N1型などが含まれる「2類感染症」と同水準の対策を取るのが目的。2類感染症とするには感染症法の改正が必要なため、期間限定で早急に決められる指定感染症の枠組みを活用するのが適切だと判断した。

H7N9型「指定感染症」へ 厚労省、強制入院など可能に

msn 産経ニュース 2013.4.24

 中国で鳥インフルエンザH7N9型の感染が広がっているのを受け、厚生労働省は24日、H7N9型を感染症法に基づく「指定感染症」に指定することを決めた。厚生科学審議会感染症部会が了承した。これにより、患者の強制的な入院や就業制限などの措置が最長2年間、取れるようになる。近く閣議決定し、5月上旬の政令施行を目指す。

 感染症法は、致死率や感染力などの危険度に応じて感染症を1~5類に分類し、各分類に応じて患者に行える措置を定めている。指定感染症はこれとは別に、生命や健康に深刻な被害を与える恐れのある緊急時に迅速な対応をするため指定する。これまでH7N9型は4類で、汚染場所の消毒などの対策しか行えなかった。

 指定感染症に指定されれば、感染の疑いのある人に健康診断を受けさせたり、患者を入院させたりできるほか、接客業や食品加工業など感染を広げる可能性が高い仕事については、休業の指示も可能となる。従わない場合の罰則規定もある。指定は制約が伴うことから原則1年間で、必要に応じてさらに1年延長できる。

 指定感染症への指定は、新型肺炎(SARS)、H5N1型の鳥インフルエンザに続き3例目。

 また、海外からのウイルス持ち込みを防ぐため検疫法の政令も改正。H7N9型に感染した疑いがある海外からの入国者に対して、検疫所での診察や検査を実施できる「検疫感染症」に指定することも了承された。

中国鳥インフル、「指定感染症」に…強制入院も

2013年4月24日12時48分 読売新聞

 中国で感染が拡大している鳥インフルエンザ(H7N9型)について、厚生労働省は24日、感染症法に基づく「指定感染症」にすることを決めた。

 同日開かれた厚生科学審議会感染症部会で了承された。政府は近く政令を閣議決定し、来月上旬の施行を目指す。

 指定感染症になると、拡大防止策として、患者に対して最長2年間、強制的な入院措置や就業制限などが可能になる。指定は、2006年のH5N1型鳥インフルエンザ以来3例目。

 H7N9型は、持続的な人から人への感染は確認されていないものの、今後、国内で患者が出た場合に備えて対応を強化した。

 また、H7N9型を検疫法に基づく「検疫感染症」にも指定する。空港などの検疫所で感染が疑われる人に対し、質問や検査、診察を行えるようになる。現時点では中国から入国し、インフルエンザのような症状がある人が対象だ。

鳥インフルH7N9型、指定感染症に指定 厚労省

日本経済新聞 2013/4/24

 厚生労働省は24日、中国で感染拡大が続いているH7N9型の鳥インフルエンザウイルスを、患者の強制的な入院や就業制限などの措置を可能にする感染症法上の「指定感染症」とすることに決めた。H7N9型の日本国内での発生に備え、迅速に対応できるよう体制を強化するのが狙い。

 厚労省が同日開かれた感染症部会に提案し、了承された。同省は閣議決定を経て政令を改正し、5月上旬の施行を目指す。

 感染症法は、感染力や感染経路などを総合的に考慮して危険性の高い順に1類から5類のグループに分け、それぞれに対応可能な措置を定めている。これとは別に指定感染症は、感染が流行すると国民の生命や健康に重大な影響を与える恐れがある場合に政令で定めることができ、対応可能な措置を増やすことができる。

 鳥インフルエンザはH7N9型を含めて4類に指定されているが、新型インフルエンザへの変異が懸念される高病原性のH5N1型だけは2類に分類されている。

 中国のH7N9型は人に感染しやすいタイプになっていることが判明しているが、人から人への感染は確認されていない。人から人への感染が持続的に広がる新型インフルエンザに変異すれば、13日に施行された特別措置法に基づく対策が講じられる。現状では感染症法上の4類による対応に制限される。

 このためH7N9型が日本に侵入した場合に対応が後手に回る可能性があり、厚労省は法改正を伴わない指定感染症に指定して対策を急ぐ必要があると判断した。

 指定感染症になれば、感染が疑われる患者を公費で入院させることができるほか、食品の製造販売や接客業などの就業制限も可能になる。指定は原則1年間で1年に限って延長できる。厚労省は空港などの検疫所で入国者らの診察や検査ができる「検疫感染症」にも指定する方針だ。

 厚労省は2006年、H5N1型を指定感染症とし、2年後に感染症法上の2類に位置付けた。

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