iPS細胞使い筋ジス病態 京大世界初、治療法に期待

2013/04/24 12:29 【共同通信】

ips4 さまざまな組織や臓器になる能力があるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、腕や足を動かす筋肉「骨格筋」の細胞を作製し、筋肉の萎縮と筋力低下が起きる筋ジストロフィーの一種の病態を体外で作り出すことに京都大iPS細胞研究所のチームが世界で初めて成功し、24日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。

 iPS細胞から、骨格筋細胞を効率よく短期間で作ることにも成功しており、筋疾患の発症の仕組み解明や治療法開発、新薬の試験に役立つと期待される、としている。

世界初、iPS細胞から筋肉細胞、効率よく作製 筋ジストロフィー治療に光 京大

msn 産経ニュース 2013.4.24

 さまざまな組織や臓器になるヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から腕や足を動かす筋肉「骨格筋」の細胞を効率よく作ることに京都大iPS細胞研究所の桜井英俊講師のチームが成功、24日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。さらに筋肉の萎縮と筋力低下が起きる筋ジストロフィーの一種の患者の細胞から作製したiPS細胞を骨格筋にし、病態を体外で作り出すことに世界で初めて成功。筋疾患の治療法開発や新薬の試験に役立つと期待される。

 チームは、細胞の運命を骨格筋に変える遺伝子「MyoD1」をiPS細胞に導入し働かせて培養。9日後に70~90%の高い割合で骨格筋細胞になった。さらに6日後には、電気刺激により収縮するなど機能性を持つ骨格筋細胞ができた。

 これまでは、骨格筋細胞のもとになる中胚葉という細胞集団をiPS細胞から作った後にMyoD1を働かせていたが、中胚葉になる前に働かせることで、40%程度だった作製効率を向上させた。

iPSで筋ジストロフィー病態一部再現

NHK NEWS web 4月24日 6時20分

体のさまざまな組織になるiPS細胞を使って、筋肉が次第に衰えていく病気=「筋ジストロフィー」の病態の一部を再現することに、京都大学の研究グループが世界で初めて成功しました。
画期的な新薬の開発につながる可能性があると期待されています。

この研究を行ったのは、京都大学iPS細胞研究所の櫻井英俊講師らのグループです。
研究グループでは、三好型と呼ばれる「筋ジストロフィー」の患者からiPS細胞を作り出し、MyoDという特殊な遺伝子を入れることで、筋肉の細胞の一種、骨格筋細胞に変えることに成功しました。
筋ジストロフィーはこの骨格筋細胞が壊れやすくなることで発症しますが、iPS細胞から作り出した骨格筋細胞も同じように壊れやすくなったということで、研究グループは「病態の一部を世界で初めて再現できた」としています。
この病気の骨格筋細胞に新薬の候補となる物質を投与すれば、病気を治す効果があるかどうか短期間に確認できるということで、研究を行った櫻井講師は「筋ジストロフィーには現在有効な治療法がないので、新薬の開発につなげていきたい」と話しています。

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