重症のインフル治療に光 DHA由来物質が増殖抑制

2013/03/08 02:00 【共同通信】

sanma02 青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)に由来する物質が、インフルエンザ感染で症状が悪化した後の投与でも治療に効果を発揮することを、秋田大大学院の今井由美子教授(ウイルス学)らのチームがマウスの実験で突き止めた。7日付の米科学誌セル電子版に発表した。

 タミフルなど従来の抗インフルエンザ薬は、発症後48時間を経過し、重症化した後では効果が薄いとされる。新たな治療法の開発につながる可能性もある。

 DHAが体内で代謝されてできるプロテクチンD1(PD1)。重症になったマウスに、治療薬「ペラミビル」とPD1を同時に投与すると、生存率は100%だった。

DHA由来物質にインフル増殖抑止効果…秋田大

2013年3月8日07時17分 読売新聞

 青魚などに多く含まれる「ドコサヘキサエン酸(DHA)」由来の物質に、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があることを、秋田大学医学部(秋田市)の今井由美子教授らの研究グループが発見した。

 重症のインフルエンザに対する有効な治療薬の開発が期待できるという。米誌「セル」の電子版で論文を発表する。

 今井教授らは、インフルエンザウイルスには脂質でできている部分があることから、ウイルスと、体内で脂質が化学変化して出来る物質との関係に着目。ヒトの肺の細胞を使った実験で、体内などでDHAが主に酵素と反応して出来る「プロテクチンD1(PD1)」と呼ばれる物質が、ウイルスの増殖を抑えることを確認した。

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