6年制課程で学んだ薬学生が医療の現場に出始めて、4年が過ぎた。
この制度変更は、薬学生の意識をどのように変化させたのか-。
「イマドキの薬学生」の就活事情を探った。
[normal_box color=”orange” border=”b3″]● 薬学生の実務実習、4段階評価の指標を提案
CBnews 2016年12月02日 14:07
病院や薬局で行われている薬学生の実務実習について、文部科学省の薬学実務実習に関する連絡会議のワーキンググループ(WG)が、実習の達成度を4段階で示した評価表の案をまとめ、30日に開かれた連絡会議の会合で提示した。「疑義照会を行い医師の処方行動に変容 …
● 薬学生必見! CBT対策におすすめの参考書・問題集3つ【学生記者】
T-SITEニュース 2016年11月21日 10:17
薬学部薬学科(6年制)ではほとんどの学生が薬剤師免許取得を目指しているので、5年次に病院・薬局での実務実習があります。その実習に出る前の4年次に、医療現場で必要な知識・技能の確認として、全国の大学の薬学科で実施されるのが共用試験。共用試験は、技能・ …
● 55倍もの大幅値上げが敢行されたエイズ治療薬を学生がわずか230円で製造することに成功
GIGAZINE 2016年12月01日 20:10
トキソプラズマ症やマラリアなど感染症の治療薬「Daraprim(一般名:ピリメタミン)」は、HIVに感染し免疫力の低くなった患者に主に処方されている薬で、2015年に1錠13.5ドル(当時のレートで約1600円)から1錠750ドル(約9万円)に値上げされたことがアメリカで問題になりました …
● 16年3月卒業の6年制薬学生の就職 MRは83人減 採用抑制が反映
ミクスOnline 2016年11月11日 03:56
薬学教育協議会がまとめた2016年3月に卒業の6年制薬学生の就職動向調査結果によると、医薬情報担当者(MR)は327人で、前年より83人減だった。編集部の調査では、製薬企業はMR採用を抑える傾向が出ており、その傾向が反映されたとみられる。 主な進路について、6 …
● 米製薬会社が独占販売で約9万円にもなったHIV薬 高校生が230円で開発
livedoor 2016年12月02日 17:32
高校生たちは、この「社会的に問題のある薬」に取り組むことに意義を感じ、1年間にわたって研究を継続してきたとのこと。なお研究ではチューリングが所有するダラプリムの特許には抵触しないよう、すでに知られているダラプリムのレシピを使うのではなく実物の成分を分析し、別 …
● 薬学生が経営者と食事をしながら就活 イベント型採用サービス『やくるーと』提供開始
@Press (プレスリリース) 2016年10月25日 11:17
一般学生に比べて求人倍率が高く、超売り手市場にも関わらず、平均エントリー社数は約18分の1と圧倒的に少ないのが薬学生の就活の実情です。そこでブレイブロードでは、一般学生の就活と比べて閉鎖的になりがちな薬学生の就活市場をもっとOPENな場へ変え、企業と薬 …
● 【書籍】薬学生・薬剤師のための 添付文書徹底活用術‐Q&Aで学ぶ適正使用10事例‐
薬事日報 2016年10月18日 16:47
薬剤師業務で起こり得る10の事例について、可能な限り添付文書やインタビューフォームを活用して解決する方法を紹介しています。 また、薬物動態の重要な吸収、分布、代謝、排泄に関する相互作用、患者での適応など、多くの医薬品で応用できる内容になっています。
● 【薬学教育協議会・16年就職調査】「就職せず」「未定」さらに増加‐卒業生2割強は薬剤師取らず
薬事日報 2016年11月14日 06:48
薬学教育協議会は、「2016年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査」をまとめた。6年制薬学部73大学(74学部)の卒業生の進路は、薬局が最も多い傾向は変わらなかったが、就職しなかった学生の総数が1652人と昨年度の1559人から増加。このうち、進学者は ..
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■6年制導入で強まった現場志向
武蔵野大薬学部薬学キャリア教育研究センター長の油田正樹教授は、6年制導入が薬学生に与えた変化として、大学院に進学したいと考える人がぐっと減り、現場志向が強まったことを挙げる。実際、武蔵野大では、4年制のころは全卒業生の約35%が大学院に進学していたが、6年制が導入されてからは、国家試験を受験する学生のほとんど全員が就職を志しているという。
その理由について、油田教授は次のように分析する。
「6年制のカリキュラムが、医療人をつくる目的で組まれていることや、病院や薬局での実習が4年制のころに比べて2.5倍以上に増えたことが、その理由でしょう。もう一つ、企業側も6年制で大学院まで行った人を研究職として雇い入れることはあまり想定しないことも、学生の現場志向を高める一因になっているといえます」
さらに、薬学生の就職活動の動向にも精通するマイナビ・メディカル情報事業部の木村雅人・事業部長は、2000年以降から続くネットワーク環境の整備と実務実習そのものが、薬学生が目指す業界と職種選択の幅を広げたと指摘する。
「以前は、ほとんどの薬学生が就職に関する情報を学校や先輩からの口コミ、いわゆる『薬学部コミュニティー』のみで得ていました。しかし、ネット環境が整い、そこから情報が得られるようになったことで、病院や薬局以外にも資格を生かせる職種があることに多くの学生が気付き始めたのです」
■人気は病院、製薬、そして「大手」
就職に対する意識が急速に高まっている薬学生だが、職場として人気を集めているのは、やはり病院。そして、先発医薬品の開発・製造を手掛ける製薬企業、大手の調剤薬局やドラッグストアといった一部上場の大手企業だ。油田教授はその理由について、経営の安定性と研修制度の充実を挙げる。
「研修制度が充実した大手企業では、どこの薬局やドラッグストアに行っても通用するスタンダードな研修を、時間をかけて行います。中にはあいさつの仕方から始まり日常業務、多職種との交流、話し方など、大学のカリキュラムではあまり得られない内容を何カ月もかけて研修する企業もあります。一方、規模の小さな薬局の場合、わずかな研修の後、いきなり現場に出て、先輩や上司の働く様子を見ながら学ばなければならない例が圧倒的に多い。初めて医療の現場に出る新卒の薬剤師にとって、こうした研修の差はとても大きく感じられるのです」
■小規模薬局のための採用戦術・その1-待遇改善と実務実習
ならば、調剤薬局業界の大多数を占める規模の小さな薬局は、どうすれば新卒の薬剤師を採用することができるのか-。
油田教授は、まずは大手企業並みの待遇を確保した上で、実務実習を積極的に請け負うことが有効と指摘する。
「特に人材確保が難しい首都圏以外の地域では、大手企業より充実した待遇や働きやすい環境を用意することが必要です。実務実習については、実習先にそのまま就職する学生が毎年います。一つの薬局で実習を引き受けるのが難しいようなら、複数の薬局が連携して取り組むこともあり得るのではないでしょうか」
■小規模薬局のための採用戦術・その2-「かかりつけ薬局」になる
また、木村事業部長は、規模の小さな調剤薬局こそ、「昔ながらのかかりつけ薬局」となることが望ましいと言います。
「学生の中にも、生まれ育った地域で働きたいという人が一定数いるからです。そうした学生にPRするためには、まずは『かかりつけ薬局』となること。健康サポート機能を有した薬局であればなおよいでしょう。そして次の段階としては、地域に根差した薬局であることをホームページや、薬学生が利用している就職情報サイトなどを活用して発信することです」
■認知度向上へ、オリジナルキャラをラインスタンプ化-岡山・きたぞの薬局
比較的規模が小さな薬局でも新卒の採用に果敢に取り組み、成果を挙げている例も少なくはない。中でも、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用した独自の取り組みに乗り出しているのが、岡山県津山市の「きたぞの薬局」だ。
中国山地の真ん中の盆地に位置する津山市で、地域に密着した薬局として半世紀余りにわたって事業を展開してきたきたぞの薬局では、岡山市などの大都市部から地理的に離れている分、若い人材の確保には苦戦してきた。人材採用を担当する佐藤康介・専務取締役は、こんなふうに振り返る。
「薬学生については、募集をかけても、応募どころか反応もないという状態が長く続いていました」
しかし、若くやる気のある人材が確保できなければ、新たな店舗や事業を展開するのは難しい。そのため、きたぞの薬局では、今年度から思い切って新卒採用に力を入れる方針を打ち出した。
新卒採用のための活動では、とにもかくにも、きたぞの薬局の名前をPRすることに力を注いでいると、佐藤専務は強調する。
「これまでも岡山県内で開かれる薬学生のための就職セミナーには参加してきましたが、今年からは西日本全域を対象に、薬学生のためのセミナーや合同就職説明会に参加するようにしています」
そんな取り組みの中で生まれたのが、きたぞの薬局のオリジナルキャラクターだった。ウサギと犬(トイプードル)が登場するこのデザイン、実は職員へのアンケートの結果から作製されたものだという。
きたぞの薬局では、このキャラクターをラインスタンプとし、社のアカウントに登録した人にプレゼントすることを決定。就職セミナーなどで学生にキャラクター・プレゼントをPRした。
「アカウントに登録してくれれば、こちらから学生に直接、それも継続して情報を発信することができます。薬局の取り組みや存在を知ってもらうには、極めて強力なツールとなり得ます。既に6人の学生が登録してくれています」(佐藤専務)
現在、きたぞの薬局では、新卒の薬学生の受け入れに向け、福利厚生なども見直し、分かりやすい形で明文化する取り組みも開始した。今後も「5年間に5人から10人くらいの新卒の薬剤師を採用する」(同)ことを目標に、将来のマネジメント層となる若い人材の確保を目指し、新卒採用に力を注ぐ方針だという。
■新卒社員に薬学知識を存分に発揮してもらう-あけぼの薬局グループ・岡田会長
また、将来的には採用する薬剤師の2割余りを新卒の人材にする方針を掲げているのが、あけぼの薬局グループだ。同グループの岡田一平会長に、新卒採用に力を入れる理由や将来の展望についてインタビューした。
あけぼの薬局グループは店舗展開する中で、即戦力となる既卒の薬剤師を中心に採用していますが、同時に新卒の薬剤師の採用枠も拡大しています。16年度の新卒採用の実績は、全体の約15%でした。この比率は徐々に増やして、2割台にはしていきたいと思っています。
新卒薬剤師の採用を大事にしているのは、これからの超高齢化社会に向けた地域密着型のかかりつけ薬局・薬剤師を目指す、あけぼの薬局グループのいわゆる「あけぼのイズム」を、入社当初からゼロベースで学んでもらいたいからです。
「あけぼのイズム」とは、私がこのグループを立ち上げた理由にも関係しています。私が考える、これから求められる薬剤師の像は、いわゆるマニュアル通り一辺倒の服薬指導などをするのではなく、処方する医師の意図をくみ取り、患者さんのニーズに応えることのできる薬剤師です。「あけぼのイズム」を実現することで、時代が求める「かかりつけ薬剤師」になれると信じています。
薬学部が6年制になって4年制と大きく違うのは、実務実習を通じて、病院や薬局で調剤のイロハなどの業務経験をしていることです。あけぼの薬局グループは、しっかりした教育プログラムを経て、1年目の薬剤師でも往診同行をしています。このことなどを通じて薬局を代表し、あけぼの薬局グループの「顔」になって行動してもらいます。薬剤師が学生時代に学んだ薬学の知識や技能を存分に発揮できると信じています。
あけぼの薬局グループでは、入社後2週間の座学を中心とした研修の後、1カ月後、3カ月後、6カ月後と定期的な研修を実施しています。私は研修会で社員に会うことがあり、皆さんに対して、研修や現場で何を学んでいるかを聞いています。
その中で、皆さんの成長が早いことに驚かされます。ある新卒の社員から、「やりたいことができる環境だ」と聞き、安心しています。今のところ、配属のミスマッチはないようです。新卒社員は、小児科の服薬指導を担当してみたいとか、いきなり在宅をやってみたいなどと、希望はばらばらです。
希望の中には、親元を離れたくないといった声もあったりします。あけぼの薬局グループでは、限りなく社員の希望を聞いた上で、配属先を決めています。これが社員の高いモチベーションを維持できている一因だと思っています。新卒の希望は、業務を続けていく中で、変化していくと思っています。最初の希望とまったく違うことをしたくなる可能性もあるので、グループとして柔軟に対応していくつもりです。
女性の場合、キャリアを積んでいく中で、妊娠・出産で休職することもあります。休職後に復帰しやすいよう、グループ全体でサポートする体制を整備しています。復帰直後は、時短勤務などを希望する社員もいます。グループでは、そのような多様な生活スタイルに対応できるような勤務形態を提供しています。
グループのよさを生かして、近隣の店舗同士で人員を融通して、各店舗が業務を円滑に進めるような仕組みがあります。また、これもグループの利点でもありますが、経験の浅い社員が、先輩社員に気軽に相談や質問ができるようLINEを活用しています。現場で疑問に思ったことは、すぐに解決できるようにしています。
引用:薬学生、イマドキの就活事情
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161209-00000002-cbn-soci